浦堂認定こども園の何故?なぜ?
- Q1 「育児担当保育」って何?どういうメリットがあるの?
- Q2 異年齢保育をしているのは、なぜ?
- Q3 登園時に職員が大きな声でのあいさつ(「おはようございます!」等)を
控えているのは・・・(特に乳児クラスの室内で) - Q4 浦堂認定こども園のこだわりの園庭について
なぜ、園庭に木が植えてあるの?なぜ、凸凹なの? - Q5 お昼寝の時にコット(簡易ベッド)を使うのは、なぜ?
- Q6 キャラクターのついた物を持ってこないようにお願いしているのは、なぜ?
- Q7 0~2歳児は、発表会などの行事に参加しないのは、なぜ?
- Q8 おはしを5歳から使うのは、なぜ?
- Q9 保育園にお地蔵さまがおられるのは、なぜ?
- Q10 どのクラスにも人形がいるのは、なぜ?
- Q11 職員の呼び名を「○○さん」と呼ぶのは、なぜ?
- Q12 一般的に保育者はジャージをはいているイメージ。
浦堂認定こども園ではジャージ姿でないのはなぜ?
- Q1「育児担当保育」って何?どういうメリットがあるの?
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A1
浦堂認定こども園では、0,1,2歳児は育児担当保育を行っています。
育児担当保育とは、もともと乳児保育の盛んであったヨーロッパ(ハンガリー)で始まった保育理論で、最近になって日本で導入が進み、1999年秋に厚生労働省の出した新しい保育所保育指針にも、導入するよう明文化されました。
0歳児では、国の基準で子ども3人に保育者が1人と決まっています。
以前の保育では、子ども9人の場合3人の保育者が子どもの世話を全般的にしていました。その時々で子どもの世話(おむつ交換・授乳・抱っこなど)を手の空いている保育者が行っていました。その場合、特定の人でなければ嫌だという子どもは、大人にとって困った子と言われかねませんでした。子どもにとって望ましい発達であるはずの愛着行動でさえ、否定せざるを得なかったのです。
それに比べると育児担当保育は、はるかに子どもの立場に立った保育です。
オムツの替え方、寝かせ方、食べさせ方に一定のルールがあり、保育者が3人いればそれぞれ微妙に違います。同じ人に世話されることによって子どもは安心でき、情緒が安定します。また、特定の大人への愛着関係、信頼関係が芽生え、世の中に対する信頼感や生きる自信につながっていくと言われています。
本来、それは母子関係において大切だと言われていることですが、保育園にいる時間が家庭で起きている時間より長くなる子どもにとっては、保育者の存在はお母さんに近いものだと言えます。
担当者が決まっていることによって、子どもの微妙な食欲の増減や体調の変化、成長ぶりなどが、より一層把握できます。
・・・と言っても、育児(生活面の世話)以外の遊びの場合では、クラス全体の子どもと関わっていますので、しっかり情緒が安定していると、担当者が休んだ時も、子ども達が不安がる事はありません。
育児担当保育を導入してから、しっかり成長と向き合うことができるようになってきたり泣く子どもが少なくなったり「かみつき」等の行為も減ってきています。
保育者にとっては、更にきめ細やかな心配りが必要となりますが、育児担当保育にして良かったと実感しています。 - Q2異年齢保育をしているのは、なぜ?
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A2
少子化が進み、昔のように隣近所の子ども同士のふれあいがなくなり、地域の中であたり前にあった異年齢の関わりが姿を消しました。そのことにより、遊びの伝承や、年上の者が年下の者をいたわったり、冒険に誘ったり、人間関係の葛藤や深まりがなくなってきたように思います。社会の変化によって失ったものは、あまりにも大きいように感じます。地域社会がそのような環境ならば、あえて保育の中で、異年齢での生活を意図的に作ることを始めました。
2009年より始めた異年齢保育では、始めは自分のことしか考えられずにいた子どもたちでしたが、年を追うごとに年上の友だちにしてもらったことを、自分が年長組になった時に年下の子にしてあげるという、優しさの伝承が始まったように思います。年齢別保育ではどちらかというと、どんぐりの背比べの状態になります。異年齢保育になると、年長の子どもたちの遊びを模倣することにより、年中、年少の遊びが発展していきます。年長児は年下の子ども達に対する優しさが育っています。お家で一人っ子の子も保育園という大きな家族の中で末っ子になり、まん中になり、長男長女になります。そこでは、生活を基盤に過ごしていますので、お互いに育ちあう姿が見られます。卒園をむかえる年長組さんは、小学生になるワクワクな気持ちもありながら、「あーあー○○(私)がいなくなったら、○○ちゃん大丈夫かな?」と心配したり、年中や年少の子が、お兄ちゃんお姉ちゃんがいなくなることに悲しむ姿が見られたり、卒園してからも「どんぐりファミリーのみんなげんきにしてる?」と気にしてくれる子もいます。
時には感情的になったり、時にはトラブルになることも大事な経験の一つだと考えます。自分の考えと違ったり、同じだったりする友達と生活し、たくさんの感情を充分外に発散し、その気持ちを大人は受け止め、見守るように心掛けたいと思います。 - Q3登園時に職員が大きな声でのあいさつ(「おはようございます!」等)を
控えているのは・・・(特に乳児クラスの室内で) -
A3
朝に元気のよい大きなあいさつは、気持ちよくいいものですね。
でも、室内で子どもが遊びに夢中になっている時に、頭の上で大きな声が飛び交うとその声が子どもを刺激し、遊びを中断することになります。遊びの中で「集中力」「意欲」「思いやり」「友だち作りの能力」などが、成長していくと考え、遊びの時間をもっとも大切にしていますので、職員は小さな声であいさつするか会釈するように努めています。 - Q4浦堂認定こども園のこだわりの園庭について
なぜ、園庭に木が植えてあるの?なぜ、凸凹なの? -
A4
ほとんどの保育園・幼稚園では、凸凹のないグラウンド的な広いだけの園庭です。
浦堂認定こども園では、園庭の見直しをしました。どのような物が子どもにとってより遊べ、より楽しめ、発見や驚きのある園庭なのでしょうか?
四季を感じられる園庭にしたいため、木や草花を植えました。
春には、春の花が咲き、その花を求めて虫などがやってきます。
春に咲いた花が夏に近づくと木々に実をつけ、収穫時期となり子どもたちと旬の味覚を味わいます。秋には実をつけた木々が紅葉し始め、たくさんの葉っぱを落とします。
その葉っぱでふかふかベットを作ったり、イチョウの葉の花束を作ったり・・
また、寒い冬に小さなつぼみを見つけ、春を待つ様子を見る事が出来ます。
木や草花を植えることで、園庭の木に実った季節の果物など、見て触り、匂い、味わいながら、季節の変化を感じたり、日本の四季を大切にする環境の中で、子どもたちの五感を開く保育をしたいと考えています。
凸凹のある園庭で子どもたちは、しっかり走り、毎日のあそびの中でバランス感覚などを身につけたり丈夫な体作りをしています。凸凹のある園庭でも竹馬を楽しんだり、縄跳びをしたり、サッカーを楽しんだりしています。(転びそうになって、「おっと!」と反射的に自分で気をつける事ができる感覚もそのうちの一つですね)
また、土、泥、わら、木(木工等)など、自然物と触れ合い、友だちと工夫しながら、遊べるような環境作りも大切にしています。
広く整備されただけの園庭は、幼児にとって育つはずの色々な感覚を失っていくように感じます。子どもたちにとって、たくさんの感覚が育つより良い園庭をこれからも考えていきたいと思います。 - Q5お昼寝の時にコット(簡易ベッド)を使うのは、なぜ?
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A5
当園では、お昼寝の時にコット(簡易ベッド)を使っています。コットは、敷いたり片付けたりする時に埃があまりたたず、床から10㎝ほど高い位置で眠れるため、午睡中も埃やダニを吸うことが大幅に減り、衛生的にも健康的にも良いと言われています。特にアレルギー体質の子どもには、最適のようです。横になると身体を包み込むように窪み、お母さんのお腹の中にいるような安心感と心地よさが感じられます。また、自分のスペースも確保でき睡眠が安定します。この様に色々な面を考慮し、コットを使っています。尚、生後6ヶ月未満のお子様には、ベビーベッドと布団を使用しています。
- Q6キャラクターのついた物を持ってこないようにお願いしているのは、なぜ?
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A6
子どもたちはテレビで親しんでいるキャラクターが大好きです。子どもたちの生活を取り巻くあらゆる物には、子どもの育ちを優先されたものではなく、販売目的が優先されているものが多いようです。キーホルダー、タオル、衣服など、子どもが自分も欲しい、触りたい・・・という思いが強くなるように作られているため、無用のトラブルが起きてしまいます。暴力的なシーンの多いアニメなどは、青少年犯罪の若年化と凶悪化にも関連するのでは・・・と問題視する声もでています。
幼い時期は、特に直接的な影響を受けやすく、アニメの世界と現実の世界の区別が難しく、その世界になりきって落ち着いてあそぶ事ができなくなってしまいます。
いつもアニメの世界に入り込んでしまっていると、他のあそびができなくなります。
この時間が長いと、手先を使って遊ぶ機会が少なくなり、器用さに欠けてくるとも言われます。園では落ち着いた環境を作り、集中力、持続力、自分をコントロールする力をつけ、じっくり遊び込める子どもに育ってほしいと思っています。
園としては持ち物や衣類はなるべくシンプルなものを、お願いしています。
園の考えをご理解いただき、ご協力お願いいたします。 - Q70~2歳児は、発表会などの行事に参加しないのは、なぜ?
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A7
0~2歳児クラスでは、毎日同じ日課で保育をしています。
『登園してきたら、室内遊び → 外遊び(散歩)→ 室内あそび → 昼食 』といった順番で日課を繰り返しています。毎日同じことを繰り返すことで、子ども自身が1日の流れを把握し、情緒が安定すると言われています。
日々の生活の中で「今日は、発表会」「今日は人形劇」・・・といった具合に突然いつもと違う行事が入ると、子どもたちは戸惑い、せっかく夢中で遊んでいるのを中断することになります。日常から大きく離れた行事などは、刺激の強い事を意図的にしてしまう事になります。
3歳までは、子どもの安定した情緒を育てることが、何よりも重要な事と考えております。 - Q8おはしを5歳から使うのは、なぜ?
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A8
「お家ではとっくにおはしを使っているのに、園ではまだ使っていないんですか?」という質問があります。おはしを持つということの意味を、もう一度考えました。早く持つことがいいのか?きちんと持てることがいいのか?早く持つことよりも、きちんと持てることが大事だと思います。おはしをきちんと持つということは、スプーンやフォークをうまく使いこなすことができてからです。
スプーンの持ち方は、実はその子の手指機能の発達と深く関連しています。初めてスプーンを持つ時は、ほとんどの子がスプーンの柄を上から握る「上握り」と呼ばれる持ち方をします。これは手首の回転がきかず、ひじの上下運動だけで口に運ぶやり方です。手首の回転ができるようになると、スプーンの柄の端っこを親指、人差し指、中指の3本でつまむように持ち、やがて下から持てるようになり、この時には指も1本1本独立して動くようになり、この持ち方ができて初めて、おはしも自由に使えるようになります。
さらに、この持ち方が将来、鉛筆を持ったり、はさみを使いこなしたりする基本になるのです。間違った持ち方がインプットされてしまった場合、それを修正することは非常に難しく、子どもにとっては大変な苦痛になります。大人になってもおはしが正しく使えない人は、結構多いように思います。ですから、園では持てるようになるまで待ち、あわてないで5歳の年長になってから持つことにしています。 それまで、乳児の段階から手指の機能を十分使う遊びをたくさんしていくことが大切になります。ハイハイをしっかりすることも手指の機能を養ううえで大切なことです。 - Q9保育園にお地蔵さまがおられるのは、なぜ?
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A9
10年ほど前、園長先生のお家の近くの草むらに、お地蔵さまがごろんと置かれていました。お地蔵さまは子どもを守ってくれる存在です。地域の方にお願いして、園にいただくことになりました。バギーに乗せて当時の年長組さんが紅白のひもを巻きつけてエンヤコラ、エンヤコラ運んできました。摂津峡保育園の園長先生(お坊様)にご祈祷していただき、今現在の場所にきていただくことになりました。
散歩に出かける時は「行ってきます。みんながケガをしないように」と手を合わせ、帰ってきた時には「ケガもなく無事に帰ってきました」と手を合わせます。園で収穫したものは、自分たちが食べる前に、まずお地蔵さまに「どうぞ」、それから園長先生に「どうぞ」とおすそわけします。手を合わせて無事を祈ること、幸せな日々を感謝すること、収穫できたものをお供えし感謝すること、自分だけでなく人とも分け合う喜びをもつことなど、お地蔵さまを通じて心の育ちがあると感じています。 - Q10どのクラスにも人形がいるのは、なぜ?
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A10
赤ちゃん人形や人形、犬のぬいぐるみなどが各クラスにはいます。(ありますではなく、いるのです)
乳児クラスでは、主にお世話をします。自分にしてもらったことを人形にします。丁寧にお世話してもらった子どもは、お人形のお世話を丁寧にしています。ごはんを食べさせてあげたり、シャワーをしたり、「おむつビチョビチョ、かえようね」とおむつ交換をしたり、世の中のお母さんの見本になる振る舞いです。
幼児クラスでは、主に友だちや仲間として一緒に過ごしています。ごはんを食べる時に横に座らせたり、お散歩に連れて行ったりしています。お人形は、ある時は自分の感情をぶつけたり、ある時はとても近い存在であったりします。そして、人形であそぶことで、子ども自身の人格を自覚するきっかけになったり、観察力や学習する力、さらには豊かな想像力が養われます。お人形あそびをすることで、優しい心の使い方を知っていくとも言われいます。 - Q11職員の呼び名を「○○さん」と呼ぶのは、なぜ?
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A11
保育園は子どもにとって家庭に代わる場であり、第2の家庭だと思っています。
保育者は子どもにとって身近な存在でありたいという願いから「○○さん」と名前や苗字で呼び合うようにしています。「先生」という呼称は、高い技量や知識を持つ人に対する敬称です。
「先生」と呼ばれるよりも、保育者は子どもの成長を見守り、援助する存在として信頼される身近な大人でありたいと願っています。 - Q12一般的に保育者はジャージをはいているイメージ。
浦堂認定こども園ではジャージ姿でないのはなぜ? -
A12
大人の服装も、子どもを取り巻く環境作りとして重要な役目をしています。
子どもはみんな汚すもの・・・と、汚れてもいいような服装で年中「ジャージ姿と体操服」では、あまり「家庭的」とは感じられません。
例えば保育者がスカートをはいていると、子どもが不安な気持ちでいる時に、保育者の柔らかいスカートの裾をぎゅっと握りしめて甘えると、気持ちが落ち着いたり情緒が安定するように思います。
また、子どもはきれいな色や心地よい肌触りを好んだり、服装を通してその時の季節や家庭的な雰囲気を感じています。
もちろん運動的な活動をする時は、ジャージなど動きやすい服装を着用しています。
いつも同じ服装ではなく、保育者はその時に合わせた服装を心がけるようにしています。保育者の服装にも意味があることをご理解ください。